・成形2day ・乾燥3week ・素焼き1day ・仕上げ2hour
                 ・・・これだけで窯ができてしまいました!!
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 紙でつくった素焼き用の窯 ## ペーパーキルン ##

 道具土を使って作った ミニ窯は約700℃の温度による「素焼き」の必要があります。
 ミニ窯が入る大きな窯で素焼きする方法と「やきものをつくるミニ窯」や「ギョ! 紙窯」等の著者 吉田氏が勧めるペーパーキルン(紙窯)で焼成する方法があります。
 今回 私は陶芸教室の窯で素焼きをしてもらう予定でしたが、やはりペーパーキルンの誘惑にかなわず 実践に踏み切りました。

   さあ、いよいよ ミニ窯に命を吹き込む時がきました!
  ペーパーキルン(紙窯)による素焼きに初挑戦です。

@【 材料・道具・準備 編 】

 ・ペーパーキルンを築くために準備したものです。

  左上から順に時計回りで

    ・ダンボール紙 (約6kg)
    ・材木屑
    ・材木屑 (合わせて約15kg)
    ・松ぼっくり(焚付け用。無くてもいいです。)
    ・新聞紙 (約7kg)

 ・ある程度の広さの火を焚ける場所。(これが一番重要)
 ・コンクリートブロック (@約\100)
 ・レンガ (@約\100)

   芝生の上で行ったため、ブロックを敷きました。(16個)

   この他にミニ窯を支えるためのブロック2個とレンガ数個を準備。

 ・左官屋さんが使うフネ(新聞紙をぬらすために使います)
  プラスチックの衣装ケースや大きいたらいなどでもいいです。


 ・水を入れたバケツ(火の用心です。)

 ・水/蛇口からホースが届く所がベスト。

 その他、あると便利なもの
 ・ジョウロ(窯の表面が乾いてきた時にあると便利です。)

 ・ガムテープ(新聞紙で窯を覆う時に使います。)

 ・ミニ窯の設置

 地面に敷いたブロックの上にミニ窯を据えます。
ミニ窯の底面にも火が回るようにブロックで浮かせて置きます。

ミニ窯の細かいパーツは本体の中に入れます。)
その他、ミニ窯で焼こうと思ってる作品も一緒に素焼きしちゃいます。


 ・ミニ窯の中に詰めた、パーツと作品を覗いたところ。

 ・設置完了の状態です。

 ・いよいよ築窯です。

 ・まず導火線として丸めた新聞紙を先端に置きます。

 ・導火線につなげてミニ窯のまわりに松ぼっくりを置きます。
(松ぼっくりは火のつきがとても良いため焚付けに便利ですが、無ければ丸めた新聞紙で構いません。)


 ・ミニ窯の下の隙間にも、松ぼっくり・細かく切ったダンボール片を入れます。

 ・ミニ窯全体を薪(材木屑)とダンボール片で覆います。このとき雪崩れが起きてしまうため下からレンガで支えました。

 ・乾いた新聞紙で全体を覆います。導火線を出しておくのを忘れずに!

 ヒント
 ガムテープで軽く止めながらするとスムーズです。


 ・水につけてびしょびしょにぬらした新聞紙を上から貼り付けて行きます。隙間無く全体を覆います。
新聞紙は予めたくさん水につけておいて準備しておきます。
使った新聞紙は約5〜6kgです。
 
注) 導火線をぬらさないように気をつけます。

 ・全体を覆ったら頂上のやや後方を破いて直径3〜5cm程度の穴をあけます。ここが煙突になります。

 ・・・ペーパーキルンの完成です!!
    ここまで約2時間でした。

A【 焼成編 】

 ・火の神様にお祈りして・・・。 さあ焼成スタートです!

    ・・・着火。

 ・無事、火が入ったようです

 ・煙突としてあけた穴から煙が立ち昇りました。
  窯全体に火が回ったようです。


 (かなり煙がモウモウと辺りに広がり気がひけます。)

 ・焚き口(導火線を入れたところ)から窯の中を覗いたところです。

 ・時々、焚き口から うちわで扇いで火力を上げてやります。

 ・5〜6時間 蒸し焼き状態を保ちます。(煙も少し落ち着いてきました。)
 窯の表面に穴が開きそうになったら、ぬれ新聞紙を貼り付けて随時補修しながら窯番をします。
 辺りが暗くなってきました。

 ・窯表面に穴が開きそうな状態。

 ヒント
 こうなる前に窯の表面が乾いてきたらジョウロで水をかけてぬらしてあげます。最初は霧吹きでやってみましたが追いつきませんでした。

 ・補修したところ。

 ・約6時間後、開いた穴から中の火の色を見たところ 700℃前後に到達していると判断。ここで補修はやめてテキストどおり、あとはそのまま放置して窯が燃え尽きるのを待ちます。

 しかし、ここで問題発生!
窯が燃え始めると暗闇を裂いて物凄い炎が立ちあがりました。
慌てて再度ぬれ新聞紙で補修。
 ・・・しばし思案。

 @夜中に赤々と炎を上げるのはやっぱり気がひける。
 A火事と間違えられて消防署に通報されても困る。
 B窯内部の温度は十分上がった。・・・と思われる。
 Cミニ窯は道具土だからきっと急冷にも耐えてくれるハズ。
 Dもし壊れてしまったらまた作り直そう・・・。


       
・・・ということで消火活動開始!

 水道全開。窯の下をまくって散水器つきのホースで水をどんどん送り込みます。(極力ミニ窯には水をかけないように・・・。)しかし薪のエネルギーはすごいもので、なかなか火は消えてくれません。
 ある程度消えたところで、窯の新聞紙をめくり取り、直接薪に散水。この間数分 炎は上がりましたが何とか消火完了。
 心身共に疲労困ぱいです。
消火後の薪はすべて水につけて。。。
 こうして楽しくも真剣な、長い一日が終了しました。

 とりあえず・・・。 一応・・・。 
焼成完了!
 着火から約9時間でした。


 ・翌朝、真っ黒クロスケとのご対面。

 焼き上がりの確認です。昨夜は暗くてわかりませんでしたが、そこには黒焦げの真っ黒クロスケのミニ窯くんが佇んでいました。本来は道具土なので白く焼き上がるハズなんですが・・・。それもまた愛嬌です。
 軽くコンコンと叩いてみます。ちゃんと焼けています。どこも割れていません。ヒビも無いです。

 ヤッター! 昨夜の疲れが一気に吹き飛んだ瞬間でした。

 ・今回、庭先でのペーパーキルン敢行を終えて。。。

 バーベキューのように木炭を使った場合と違い、薪や新聞紙などを使うペーパーキルンは 炎と煙、そして臭いの問題がつきまといます。やはり広くて煙も気にしなくて良いところ、・・・キャンプ場などで許可を得てやるのが良いと痛感しました。
 この次にやるときはそうしようと思います。また、これを教訓に、このミニ窯を使って窯焚きをするときは木炭以外の燃料は使わないことにします。

 ・つわものどもが夢のあと・・・。

 敷いておいたブロックを取り払ったあとです。
芝生の跡を見ると熱はブロックで防げていたようですが煙によるダメージが大きかったみたいです。

 ・ミニ窯の中に入れて一緒に素焼きした作品たちです。
すべて無事に焼けていました。軽く叩いてみた音では、少し温度が低かったようです。(生焼け気味)
 でも十分です。

B【 仕上げ編 】

 ・ミニ窯つくりの総仕上げです。

 準備したものは左から
   ・0.9mm(#20) のステンレス針金
   ・ラジオペンチ
   ・ニッパー
   ・プライヤー   です。


 ・仕上げの手順

 @まずは窯の掃除です。窯の内部の燃えカスなどは小型の掃除機を使って吸い取るといいです。


 A次に窯の補強です。準備しておいた針金を「ミニ窯づくり」の時につけておいた溝に沿って巻きつけます。プライヤーやペンチを使ってしっかりとねじって締め付けます。

 ヒント
 針金の結び目は内側に折り曲げておきましょう。後で引っ掛けてケガやヤケドをしないように。

    とうとう完成です!!

 みてください、この勇姿(…?) 感慨ひとしおです。
あとはガンガン焼くのみです。
 ん〜楽しみっ。

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