・成形2day ・乾燥3week ・素焼き1day ・仕上げ2hour
             ・・・これだけで窯ができてしまいました!!
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  *この窯はテキストよりも約20%
     サイズアップしてつくってあります。

 まずは左の完成写真をみて全体像をイメージしてみてください。
(写真では、すべての穴にフタがしてあります。)

 この窯の製作風景をもとにミニ窯づくりの工程を紹介していきます。ごゆっくりとご覧ください。

 写真の窯は なぜ真っ黒クロなのか !?
その謎は ”ミニ窯の素焼き” のページで明らかに・・・。(笑)


 size: 75×30×38 [cm]
     (長さ×幅×高さ)
      約37kg


@【 材料・道具編 】

 ・なにはなくとも、まずはこの一冊!!
  陶芸家 吉田 明 氏著書

  陶磁郎BOOKS やきものをつくるミニ窯

  ここに ミニ窯のすべてが凝縮されています。

 ・この本をテキストとして、Myミニ窯づくりのスタートです。

 ・道具土(どうぐつち)
  40kg準備しました。(20kg×2個)
               20kg @\2400でした。
 ミニ窯の材料はこの粘土だけです。
 今回、ミニ窯づくりのための出費はコレだけです。(安い!)

 ヒント
 道具土って?
  本来はその名の通り、窯道具用の粘土で 窯詰めの際の目土などに
 使用する粘土です。
  作品作りで使う粘土と違って、高温で焼いても焼き締まらないのが
 特徴です。そのため、粘土に混ぜ込むことにより耐火度が上がり、作品の
 歪み防止にも役立てることもできます。
  殆どの陶芸ショップで手に入りますし、ネットでも簡単に購入できます。




 ・ミニ窯成形のために用意した道具類です。
 特にこのために購入したものはありません。

  上段左から
    メジャー、ぬれタオル、どべ、
    海苔のビンのフタ・・・コレは無くても全然構いません。
    煙突つくるときの丸の型にちょうど良かったので・・・(笑)

  下段左から
    長さの目安用の紙切れ5枚、霧吹き、叩き板(自作)、スプーン、
    ナイフ(剣先)、へら2種類、分度器(コテ代わり)、
    ポンス(穴あけ)、千枚通し

 ヒント
 どべ・・・って?
  水で溶いてドロドロにした粘土で、成形の際に粘土同士の接着力
 強化のために使います。そのとき使っている粘土からつくるのが基本。
  (ドロドロの目安は濃い目のポタージュスープくらいの粘度)

 ヒント
 無いものは代用品で!(100円ショップは代用品の宝庫)
  叩き板は、ただの板切れでもOK。ナイフも普通のカッターナイフでもOK。
 ポンスは100円ショップの果物のくり抜き器で代用できます。
 写真の霧吹きも、へら2本も100円ショップで購入したものです。
 (へらは子供の粘土遊び用として売られていますが、十分に使えます。)

 ・左の写真をクリックしてください。もう少し大きな写真が見られます。
 ・この他に、土台用として厚めの雑誌数冊か、角材とベニヤ板を準備します。

A【 準備編 】
 ・土練り

 材料の道具土は長期間寝かせてしまったため、少し水分を加えて練り直ししました。
 3〜4kgごとに分けて、荒練り→菊練り です。
 練り終わった粘土は成形作業中に乾燥しないように軽くしぼった ぬれタオルを被せておきます。
 ・土台づくり

 新聞紙を敷いて、土台用に準備した木切れ(角材)を置きます。
テキストでは雑誌を重ねて土台にしていますが、適当な雑誌が無かったので材木で土台作りをすることにしました。
 角材の上にベニヤ板を載せます。
(ベニヤ板は作品乾燥用に使用している棚板を流用)
これで土台は完成です。
 土台の高さは11cm
 土台に合わせて新聞紙を敷きます。
 あらかじめ主要寸法を測った紙切れを準備しました。
粘土まみれの手でメジャーを持つ必要が無く便利でしたよ。

B【 成形編 】

 〜 1日目 〜
 ・底面づくり

 厚さ約3cmにのばした道具土を土台の上に載せ、更に叩き板でたたいて土を締めます。
 その後、底面の形をへらで描き、周囲の余分な土を取り除きます。
 底面の形に添って、紐作りで側面(壁面)をつくりはじめます。
紐の太さは3〜4cm。(底面や壁面もテキストよりも少し厚くしました。)


 ヒント
 一段目はどべで接着
 底面からの立ち上がり部分の紐を積むときは強度面から、どべを使うことをオススメします。底面と紐の接着面にナイフで軽くキズを入れてそこに どべ を塗ります。その後 継ぎ目をなでつけて仕上げます。(写真が無くてスミマセン。作りはじめで集中してたもので・・・。) 2日目の作りはじめの写真を参考にしてください。
 ・ロストル(火格子)作り

 紐を一段つんだ内側と 真ん中ににロストルの受け台用の段を作ります。送風口まで来ないように少し短めに。
 太さ2cmくらいの紐を作業台上でつぶして四角く成形し、先程の段の上に載せてみて、内壁面の幅に合わせて切ります。
 (作った紐は本体につけるまで乾燥しないように ぬれタオルを被せておきます。)
 ロストルが等間隔になるようにして これを6本準備しました。
パーツが揃ったら どべで接着です。

 第一関門、ロストル完成!
 ・コーヒーブレイク

 ちょっと休憩しましょう。

休憩中の乾燥を防ぐため ぬれタオルを被せます。
(タオル大活躍。多めに準備しておくといいです。)
 ・焼成室の壁面作り

 作業再開。どんどん紐を積み上げて壁面を作っていきます。
紐は太めの方が作業効率いいですよ。
(また写真が少なくてスミマセン。)
 ロストルの先が送風口、その上が焚き口となります。
焚き口の上部は一本の紐でアーチ状に作ります。

 炭をくべるときに使う 十能(じゅうのう)が入るか確認する。
(炭はこのあと作る炭投入口からくべますが、ここも入ったほうが便利なので。)
 ホームセンターで買った 十能は、最小のものでもミニ窯にはちょっと大きすぎたので、木片で叩いて幅を狭めました。
 (後で@100円でちょうどいいサイズを見つけましたが・・・。)
 ・今日はここまで。

 今日の作業はここまで。仕掛りの保存に入ります。
全体に少し乾燥気味になってきたので、霧吹きで湿りを与えます。
軽くしぼった ぬれタオルで隙間なく覆います。
 更にその上から大き目のビニール袋を被せます。
すでに愛着がわき始めたMyミニ窯、明日までしばしのお別れです。



           ・・・大き目に作ったため、結構疲れました。。。

 〜 2日目 〜
 ・完成に向けて

 ミニ窯つくり 2日目のスタートです。
 更に紐を積んで壁面を作っていきます。

 
 2日目の一段目は どべを使って積みましょう。

 ナイフで軽くキズを入れます。(粘土の表面を荒らすことで、どべ の浸透が良くなり、結合面積が増えるので丈夫になります。)

 切り込みを入れたところに どべ を塗ります。
紐側にも同様にキズを施してから積みます。(どべ は片側で可)
 ・煙道を切る

 燃焼室のうしろの壁 中央に煙道となる四角い穴を切り抜きます。
高さ約10cm、幅約2.5cm

 ・煙突をつくる

 煙道のうしろに煙突を積みます。(壁面との接合部には どべ 使用。)
煙突は少し斜めに立ち上げるため、下は狭く 上に行くにしたがって広くなる形になります。

 ・焼成室の仕上げ

 焼成室の壁面形状を整え、分度器をコテ代わりに使用して壁の内側もならします。
 煙突の内側も同様にしてならしておきます。

 焼成室がドーム状になるように紐を内側 内側へと積んでいき、天井を塞ぐようにすぼめていき、完全に塞いでしまいます。
 叩き板で壁面をたたいて形を整えるとともに、土を締めてやります。
 
 燃焼室のドームが完成したら、”作品詰め口” と ”炭投入口”をあける場所を決めて、あたりをつけます。
 あたりに沿って それぞれ補強用の紐を一本(一周)貼り付けます。
 更に 煙突・作品詰め口・炭投入口 を縦につなぐように補強用の紐を貼り付けます。

 左の写真は 作品詰め口の補強用に紐を貼り付けたところです。


 ようやく窯の形がみえてきました!
 ・フタづくり@

 左奥から順に、煙突・焚き口・送風口 のふたです。
各開口部の大きさに合わせてフタをつくります。
(煙突のフタは 準備しておいた海苔のビンのフタで型どりしました。直径約12cm)
 ・フタづくりA

 ”作品詰め口” と ”炭投入口” のフタは本体に直接取っ手を取り付けてから切り出します。

 ヒント
 取っ手は頑丈に
  取っ手は壊れやすいため、頑丈にするために ”取り付ける” のではなく、本体から捻り出す(つまみ出す)ように作ります。
 本体から捻り出した土で長めの”でべそ”をつくり、これを包み込むようにして取っ手のアーチを作ります。(太く・頑丈に)

 ”作品詰め口” と ”炭投入口” のフタをナイフで切り出します。
フタの内側が小さくなるように、ナイフを斜めに入れて切り出します。
(垂直に切ってしまうと、フタが落ちてしまいますからね。)

 乾燥の際にヒビ割れを誘発しないように、切り口はきれいになでておきましょう。


 ヒント
 フタには合わせ印
  切り出したフタは向きが違うと ぴったりとは合ってくれません。そのため、すぐに向きがわかるように、この時点で ”合わせ印” をつけておくことをオススメします。
 ・色見穴をあける

 @焼成室の作品用色見穴として 作品詰め口の下に 3箇所ずつ ポンスで穴をあけます。(左右両面)
 A燃焼室の焼成室用色見穴として 炭投入口の下に 一箇所 @よりも一回り大きな穴をナイフでくり抜きます。(左右両面)

 くり抜いたあとの粘土につまみを取り付けて、色見穴のフタをつくります。

 ・針金通し穴をあける

 素焼き後に針金で窯の補強をします。そのときの針金の通り道を千枚通しであけておきます。
 ここにもあけます。
 ・本体に溝を入れる

 へらを使って補強用針金の通り道として本体に溝を入れます。

 とうとう完成で〜す!!!

 嬉しくて疲れもふきとびます。
 足掛け 2日での成形でしたが、時間数にすれば 1日で一気につくり上げることも可能ですね。
 ・横上方から見た完成写真です。

 各穴の位置や補強用の溝の位置などの参考にしてください。
 忘れていました。
 炭投入口に 十能が入るか確認します。
大丈夫でした・・・。

C【 乾燥編 】
 ・ゆっくりと自然乾燥

 内側と外側の乾燥速度にできるだけ差を出さないようにするために各部のフタは外して乾燥させます。
このフタだけは 外して乾燥させると歪んでしまいそうなので乗せておきました。
 念のため、くっつかないようにティッシュペーパーを挟んでおきます。
 ここで急いではいけません。
ヒビが入らないように、とにかくゆっくりと乾燥させます。

 ヒント
 新聞紙で乾燥速度の調節
  窯の中に新聞紙1〜2枚分をふんわりと入れます。
  窯の外側全体が覆われるように新聞紙をかぶせます。
  この状態で自然乾燥を待ちます。

 ・自然乾燥 1週間後

 乾燥から 1週間後の状態です。
乾燥した部分は白くなっています。底の部分がまだ乾いていません。
 2週間後、ほぼ完全に乾燥しましたが、底の内側がまだ微妙に湿っぽかったため 念のためもう 1週間じっくりと乾かすことにしました。
 合計乾燥時間 3週間です。



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